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『アンドロイドは電気羊の夢をみるか』文章保管用ブログ。
Posted by - 2024.11.22,Fri
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Posted by ささら - 2008.02.29,Fri
ちょっとした話。

 寒い。えらく寒い。
 そう思って起きたらリンに掛け布団を全部取られていた。そりゃ寒いわけだ。
 取り返そうかと思ったが時計を見たらいつのも起床時間だったので、諦めて朝食のためにリビングへ移動。
 ミク姉が大張り切りで所員と一緒に食事の準備をしている。その横でメイコ姉が半分どころか九割寝ているカイトを席に座らせていた。
 オレがいつもの席に着いたとたん、やや覚醒したらしいカイトが布巾を取ろうとしてうっかりコップを倒した。
 隣の席のオレは水をもろに浴びた。まあ思考力と判断力が小学生だから許せな…いけど許そうと努力してみる。
 ごはんのメニューは焼きネギサンド。どう考えてもミク姉の趣味だ。シャリシャリいいつつ食べたが案外醤油味があっててうまかった。意外だ。
 でもデザートがネギミカンアイスだった。ネギとミカンをミックスしてアイスにしました!自信作です!とミク姉がいう横でみんな固まっている。いやカイトだけ嬉しそうだった。アイスなら何でもいいのかこの人は。なんでも食べるメイコ姉も流石に一口食べて即ゴミバコ行きにした。恐るべしミク姉。
 リンは朝弱いので一時間遅くに起きて、冷めた焼きネギサンドを食べはじめる。寝ぼけているので味がわかっているのかどうかわからないが、とりあえず味噌がほしいだとか言っていた。
 ちなみにネギミカンアイスはミク姉とカイトが全部食べてしまっていたので食べずに済んだようだ。ちょっと羨ましい。
 午後からの歌のレッスンに備えて、カイト以外のみんなで発声練習をしてみる。
 毎度の事ながら自分の鼻声にへこむ。何とかならないものか。それに比べてミク姉の清涼感、メイコ姉の伸びやかさ、リンのパワーはすごいと思う。オレはリンを流用して作られてるのにこの差は一体なんだろう。オレももっとはっきりした発音が出来ればいいのに。
 昼食はシチュー、何故かネギ入り。何の料理でもネギ入りをリクエストするのはどうかと思うんだミク姉。リンはタマネギが入っていてご満悦のようだ。オレも嬉しい。デザートはフルーツポンチミカンバナナ入りで内心勝利のファンファーレが鳴り響いた。流石にネギは入ってなかった。
 所員が作ったのかと思ったらカイト作だとかで、そろそろ料理も出来るようにならないとって事らしい。正直、包丁で腕切っちゃったり皿落として足怪我したりしないか心配なのでやめてほしい。
 午後はレッスン。オレとリンとミク姉が練習室に入るとすでにメイコ姉と二人の所員が準備を終わらせていた。
 オレとリンは一緒に練習する。まずラララで輪唱、その後最近練習している春にちなんだ童謡を練習。この曲を歌っていると陽気な気分になってくる。
 その後ミク姉がバラードを歌う。最近人気になった曲がどれもアップテンポだったので喉部分に影響が出てるのを配慮してだ。ミク姉はきれいな高音をだして緩やかに音を紡ぐ。優しい音が室内いっぱいに広がる。
 終わるとオレもリンも自然と拍手していた。メイコ姉も満足げな顔をしていた。
 最後はメイコ姉が定番となったポップな曲で喉を暖め、さらに続けて激しいロックを歌う。初めて聞く曲だ。話には聞いていたけど来月出す新曲らしい。みんな足でリズムを取ったりしながら聞き入る。今回もヒット間違いなしだろう。
 全員歌ったところでいいところ悪いところをみんなで上げていく。そうしたらそれを踏まえて細かく練習していく。
 オレとリンは発音、特にサ行を意識的に練習するように言われた。不得意なところがバッチリばれてる。
 ミク姉は音の盛り上げ方についてメイコ姉にアドバイスを貰っていた。サビに入る前の音を大きくしていくタイミングで悩んでいるようだ。先のでも十分だと思ったけどミク姉は全然満足してなかった。やっぱりミク姉ってすごい。
 メイコ姉は作曲の人へのメモを作っているようだった。Aメロのメロディが歌いにくくて発音が汚くなるのよねーと笑いながら箇条書きに要望を書いていく。B5のノートが2ページ埋まっていた。メイコ姉は本当にすごい。
 いつの間にかカイトが練習室備え付けの椅子に座っていた。普段は練習室に近寄りもしないが、今日は差し入れのためだそうだ。
 焼きリンゴとオレンジエードで休憩することになった。この差し入れもカイト作だそうで、料理を練習するというのは本気らしい。家庭用アンドロイドにでもなるつもりだろうか。
 仕方ないのかもしれない、なんせカイトはボーカロイドでありがなら歌が歌えない。
 歌えないって言うのはどんな気分だろう。例えばオレが歌えなくなったとしたら…たぶん死んでしまう。ボーカロイドにとって歌うというのは生きていることと同義だ。カイトは歌うことの埋め合わせに料理を選んだんだろうか。ボーカロイドなのにそれを選べるんだろうか。
 そんなことを考えていたら半分残していた焼きリンゴがいつの間にかなくなっていた。リンのやつ、後でシメる。
 夕方になった。練習でくたくたになりながらリビングにつくとちょうど夕食が出来たようだ。
 今日はこの研究所で料理が一番上手い所員さんが夕飯担当で、味は保証済みの肉じゃがだ。美味しそうな匂いが漂っている。
 デザートはアップルパイ。なるほど、さっきのリンゴはこれのあまりか。
 今日も一日無事終了。全員寝る準備をして自室に戻る。
 オレと同室のリンは、ミク姉のところに遊びに行くと言って、いなくなってしまった。リンはミク姉に良く懐いてるし甘えん坊だからなあ。オレはあんなふうに甘えるとか出来ない。基本が同じなはずなのにやっぱり別々なんだなとこういう時思う。
 リンはどうせまだまだ遊ぶだろうから、オレは先に寝ることにした。取られたままだった掛け布団を返してもらって、誰も聞いちゃいないけど一応おやすみと言って布団を被る。
 自慢じゃないけど、布団に入ったら10秒で寝れるっていうのはオレの特技だ。これは子供なんじゃなくて効率よく活動できるって証拠だからな。決して子供なわけじゃないぞ。
 しかしねむいな。ねむ…。

 部屋に戻るとレンはもう寝ていた。
 大き目のベッドを一緒に使っている私の兄弟でもう一人の私、レン。
 レンはあんまり人に話しかけないから心配だ。もうちょっと人に頼ったりしてもいいと思う。あまり思ったことを口に出さないし。でも良く顔には出てる。いろいろ結構バレバレ。
 ミク姉は朝のネギミカンアイスとやらを反省しているみたい。レンがとても嫌そうな顔をしていたそうで、今度から自重する、らしい。無理だろうとは思う。ミク姉は一度勢いがつくと止らないタイプだから。
 メイコ姉は今日の練習で褒めそこなったことを気にしていた。渡されたメモには、「レンは高音が出ているとき最高に気持ちいい声をだしてる。あとその声だって武器なのよ!鼻声だのなんだのもウリにしちゃえばいいの。もっと自信を持ちなさい!」と、書かれている。ちょっとコレは褒めすぎだと思うので、あと二三日は見せないことにしとこうっと。
 カイトにぃは今日は練習室に入ったのに機嫌よさそうだった。わけを聞いたら、みんなが差し入れを喜んでいたからで、特に普段カイトにぃにキツいレンが、おいししそうにしてたのが嬉しかったと言っていた。
 レンは本当に疲れてたみたいで熟睡している。私も疲れたのでもう寝よう。
 あと二日連続はかわいそうなので掛け布団取らないようにレンの布団に入ることにしよう。そっちのほうが暖かいし。
 今日もつかれた。けど楽しかった。また明日も楽しい日でありますように。


次:日常その1
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